セリフX.1.2の歴史と危険性
リスクしかないx.1.2はもうヤメにしないか?
元々セリフは別セル1.2.3だった。
当然、閉じ口は開き口のサイドにはみ出してしまうから。
このことを知らない動画マンも多いのでは?(教えて貰ってるようには思えない)
元々なんでx.1.2が出来たのか?
今も製作費は低いが昔はもっと低かった。
なので1枚でも枚数を削ろうと、苦肉の策として
「開き口の脇の飛び出す閉じ口の端を開き口の中に入れちゃえば
見えなくなって1枚減らせるじゃん!」って誰かが考え付いた。
主にグロス会社とか予算の低い現場で使われていた。
時代が2000年に近づくと仕上げと撮影をPCで作業するようになる。
(セルの販売が無くなってしまった為)
そして、セルをいくら重ねても色が変わらないのでセル重ねに制限がなくなった。
セル時代はDもしくはEセルまでを基本にFやGセルは極力使わないって言うのが基本だった。
(余談ですが、IGのシートは「C」セルの欄までしかなかった余白1欄あってDセルまでしか書けないシートだった。
流石に今は違うと思うが…2008年までは確実に使っていた)
(もう一つ余談だが、昔は重ね制限があって描き込みも多かった。今は意味もなくキャラごとにセル分けするバカも多くなった)
あと、EセルからAセルへの移動等(幅のある移動)は色が変わってしまう(パカる)
のでなるべく避けるとか。
(セルはパっと見、透明なんですが何枚も重ねると若干色が出ます)
デジタル時代になり
セルは完全に透明になり、セル重ねの制限がなくなった。
セリフの口パクも以前の1.2.3状態でも3の開き口周りに
肌色を塗ってもセルと違い色の境目が出ない。
なので面白がって「1.2.3状態で開き口の周りに肌色塗ればx.1.2になるじゃん!すげー!!」って
いろいろ目新しくて遊んでいたら、x.1.2がいつの間にか主流になってた……
単にデジタル初心者たちが「こんな事も出来るじゃん!」
「おぉ~、楽しいじゃん!デジタルおもしれ~おもしれ~!」なんて感じで、
やってた遊びが今のx.1.2の始まり。
デジタル時代のx.1.2とは、こんなバカな始まりです…。
そして、「セリフ=x.1.2」と思い込んじゃってる人もいるので
何も考えず、横顔でもセリフx.1.2って書いてくる若手も多くいる。
アゴパクでもx.1.2って書いてくる人もいる。
素直に「合成セリフ1.2.3」でいいんですよ。
セル時代は常識だったがデジタル時代は横でもセル分けが可能になった為
別セルにする人が増えた。
そして意味も解らず横顔で別セルにする人。
横顔でどうやってセル分けするかわからない状態でセル分けてくる人もいる。
どこがAセルでどこがBセル?
デジタルになりこのようなセル分けも出来るようになった為
別セルにする人がいるが、どこからどこまでがどのセルか理解していない人が多い。
合成セリフだったら何の問題もないのに、なぜか分けたがる。
「デジタルになったから分けられるんでしょ?」って何も考えずセル分けしてる人が多い。
仕上げさんが検査時どれだけ直してる事か…
作画の不備の多くは仕上げさんや撮影さんが直してる!
セル時代は「体A止、頭ごと合成セリフB1.2.3+上に髪の毛Cセル」が主流だったが
このやり方を知る人も少なくなりつつある…
今と違って「合成」でもトレスマシンを通して一枚一枚色を塗るので
全く同じものが出来なかったので、止められる部分を多く作っていた。
セル時代は不便だった為いろいろ工夫して作業していたが
デジタルになり便利になって楽なやり方を覚えた結果
逆にRが増えた感じ…